「ナマエ、入るよー」
ベポはコンコンとドアをノックして、医務室に入った。
(ちゃんと寝てる...)
ナマエはベッドの上ですやすやと眠っていた。
“海賊は嫌い”
ナマエが書いた紙を床から拾い上げ、彼女に目を向ける。逃げないとは言っていたが、正直素直に部屋で寝ているか心配していたのだ。そんな不安とは裏腹に、気持ちよさそうに眠るナマエ。ベポは起こすのをためらったが、スープが冷めてしまうと思い、声をかけた。
「ナマエー。野菜スープ持ってきたよ」
「......」
起きないナマエ。ベポは身体を少し揺すってみた。
「ナマエー...」
うっすらと目が開いた。ぼうっとベポを見る。
「野菜スープ、持ってきたよ」
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