ローが部屋を出て入れ違いに、ペンギンがドアからベポ、と顔を出した。
「夕飯の時間だ。...目が覚めたのか」
ナマエの姿を見るペンギン。しかし彼女は横目でチラリと見ただけで、また俯いた。それを見て、早く来いよ、とベポに言うと、ペンギンはドアを閉めた。
「ナマエ...俺、夕飯食べに行くけど、出て行こうとか思わないでね...?」
とベポが言うと
“出口分かんない。出て行きたくてもムリ”
とナマエは書いて見せた。そうだね、と苦笑いするベポ。
「なんか温かいもの持ってくるから、待ってて。それまで寝ててね」
上半身を起こしたままのナマエにベポが声をかけると、彼女はまた顔をしかめながら寝ようとする。ベポは手を貸してやりたかったが、ナマエが首を振るので横で見ていた。枕にぽすっと頭を乗せ、ベポを見ながら首をわずかに縦に動かす。
「じゃぁ、俺行くね」
ちゃんと寝ててよ、と念を押して、ベポは医務室を後にした。
前 次
back