結局全てを購入したロー。買った服はベポが持っていた。足早に店を出たローを追いかけナマエが口パクでお礼を言うと、ローはあぁ、と答えてまたスタスタ歩き出した。


「よかったね、ナマエ!可愛い服ばっかりだったね!ナマエが着るの楽しみだなあ」


再び手をつないで横を歩くベポがにこにことナマエに笑顔を向けた。たくさん荷物を持たせてしまっていることが申し訳なくてナマエが困ったように笑うと、ベポは全然大丈夫!と言ってまた笑った。荷物をベポに持たせたのは、他の誰でもない、前を歩く彼なのだが。


「あとは?あとは何を買うの?」


楽しげにナマエに問うベポ。正直洋服以外に買うものが見当たらないナマエは、首を傾げてみせた。同じ様に首を傾げるベポが可愛い。


「家具屋に寄るぞ、ベポ」


前を歩いていたローが振り返って言うと、ベポはそっかあ!と言ってパッと目を輝かせた。


「そうだよね、ベッドとか買わなきゃ!」


確かになければ不便だが、やはり彼らに申し訳ないという気持ちがあるナマエはベポに曖昧な笑顔をみせた。


「おい、」


ローの声にはっとそちらを見る。


「お前、また悪いとか思っただろう。いいか、もう一度言うが、俺は億越の賞金首だ。今までどんな生活をしていたが知らねえが、オレの船で暮らさせる限り不便な思いはさせねぇ。俺が好きでやってることだ。悪いとか勝手に思うんじゃねえぞ」


意地の悪い笑みを浮かべる彼は、やはり俺様体質だ。そうナマエは確信し、オーラに圧倒されつつもぎこちなく頷いた。




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