「お前はまだ体力が回復しきっていない。この船にいるなら、完全に復活するまでは患者だ」

いいな?


ローの言葉に頷くナマエ。


「その間の世話はベポ、診察は引き続き俺がやる。だが、海賊に慣れてもらわないと此処でやっていけない。だから日替わりでペンギンとシャチもベポに付いて世話をする」

「「えぇ!?」」


初耳なんですが、というリアクションの二人。ナマエは目を丸くしたが、恐る恐る首を縦に振った。
その様子を見てローは満足げに笑った。


「こいつらは俺が一番信頼を置いている奴らだ。心配するな」

「いやいや!俺らの意見は聞かないんですか!?」


言葉を続けるローにシャチが言った。


「船長命令だ」

「...ずるいですよ」


うなだれるシャチ。ローはククク、と笑いながら立ち上がった。部屋を出て行こうとして振り返り、ベポの名を呼んだ。


「使ってない倉庫があったろ。そこを掃除しとけ」

「?、わかった!」


ロー以外の全員が疑問符を頭上に浮かべる中、ローは部屋を出て行った。


「仕方ねぇな...。俺はペンギンだ」

「......シャチだ。よろしくな」


二人が自己紹介すると、ナマエもぺこりと頭を下げた。
この船のクルーは、きっとローを信頼してるんだ。
かつて自分が慕った海賊を思い出して、ナマエは少し笑った。




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