(あなたに、会いたい)


どんなに嫌われていても。必要とされていなくても。もう一度だけ、会って話をしたい。ただそれだけがナマエの願いだった。


(この船に乗っていけば、あの人に会える...?)


大嫌いな海賊。でもこの船の人たちは今まで出会った奴らと違う。そんな気がしていた。自分の正体を知らず、命を助けてくれた。一人の人間として、ナマエという存在として、扱ってくれた...。それだけで十分だった。
ナマエは自分の両手を目の前に掲げ、それを見た。


(頼んでみよう)


海賊なんて、関わりたくない。でも、なぜか心を許せる気がした。あの人以外の海賊で初めて、こんな気持ちになった。


この船に乗せてもらおう。

あの人に会うために。

本当のことを、聞くために。




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