ローは振り返り、部屋の中に目を移す。ベッドにいたナマエは苦しそうに上半身を前にかがめ、両手で頭を抱えていた。横にいたベポが背中をさすりながら、大丈夫!?と声をかけていた。


「チッ...!」


ローは短く舌打ちをしてナマエのもとへ行った。


「おい!どうした!頭痛か!?」

「さっきから何を聞いても反応してくれないんだ!」


ローの声は届いていないようで、ベポも困惑しきっていた。音にならない叫びを上げるかのように苦しむナマエ。ドアの所ではシャチとペンギンがどうしたんだ、という表情でやり取りを見ていた。


「...とりあえず鎮静剤を用意しろ!」





「落ち着いたか...」


薬を打ってから少し経つと、ようやく静かに眠り始めたナマエ。隣でベポもほっとしていた。


「...船長」


声のする方を見ると、クルー達が申し訳なさそうな顔で立っていた。すみません、と頭を下げた。


「あぁ...。こいつは極度に海賊を嫌っている。むやみに姿を見せないようにしてくれ」


まだ事情は聞いていないがな、とローは付け足した。クルー達は、はい、と返事をして部屋を去った。ローはナマエに目をやる。
そうだ。まだ、何も聞いていない。何故、海賊を嫌うのか。
...お前はいったい、何者なのか。




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