ベポが出て言った後、一人になったナマエ。


(なんで、海賊なの)


大嫌いな海賊。でも彼らは自分の命の恩人。知らなかった内は心を開いていた彼女だったが、正体を知ってからは震えが止まらなかった。


(とりあえず、寝よう)


早く回復して、出る。この船を。少しでも早く。





ベポが食堂に入ると、既にクルー達は食事を始めていた。いつものようにローの横に座る。


「寝たか」


食べ続けながらそう問うロー。


「うん。たぶん」


ベポが答えると、そうか、とだけ言った。他のクルーが会話をする声と、カチャカチャという食器の音だけが聞こえる。ベポの正面に座るシャチが一人でペラペラ喋り、ローの正面のペンギンは相槌をうちながら静かに食べていた。


「ねぇ、キャプテン」


早くもおかわりをしながらベポがローに声をかけると、なんだ、と目を向ける。


「ナマエになんか温かいものを持って行ってあげたいんだ。きっとお腹すいてるよ」

「コックに野菜スープを作らせてある。それを持って行ってやれ」




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