“ナマエ”
紙には綺麗な字でそう書いてあった。
「ナマエって言うんだ」
可愛い名前ー、とベポが笑いかける。少女は少し照れたように笑うと、また何かを書いて見せた。
“助けてくれて、ありがとうございます”
頭をちょこっと動かすナマエ。
「俺は医者だからな。怪我人を助けるのは当然だ」
とローは言う。それを聞いてから、ナマエは再びペンを動かした。
“あなた方は、一体誰ですか?”
ナマエの目は彼らを捉えていた。それに答えるかのように、ローも見つめ返す。
「俺はトラファルガー・ロー。海賊だ」
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