「......」
「......」
二人きりになり、部屋に沈黙が流れる。ローはベッドの横に椅子を引き寄せ、足を組んで座った。布団を口元まで被せ、彼女はじっと天井を見ている。
『彼女は一体何者なんですか』
先程のペンギンの言葉が、ローの頭を過ぎる。
(お前は一体...)
何故あの時、自ら能力を使って助けたのか。それが何か、彼女と関係しているのか。ローはずっと引っかかっていたのだ。
「キャプテン、持ってきたよ!」
勢いよくドアを開け、ベポが戻ってきた。うるせぇ、静かにしろ、とローが言うと、すみません...と落ち込むベポ。それを見ていた少女は、くすりと笑ったようだった。
「はい」
とベポは少女に紙とペンを渡す。
「お前の名前は」
再びローが問うと彼女はペンを動かし、二人に見せた。
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