「行くぞ、ベポ」
「アイアイ、キャプテン!」
グランドラインのとある冬島。
ちらちらと雪が舞うこの島に降り立ったのは、トラファルガー・ロー率いるハートの海賊団。
「船長、この島のログは3日で溜まります」
ローにそう告げるのは、航海士のペンギン。
「食料の調達をしたら、後は好きに過ごせ。とは言っても、何もなさそうだがな」
「船長はどうするんですか」
「アァ......俺は少し歩いてくる。ベポ、ついてこい」
「アイアイ!」
そういって歩き出したローを、ベポはドスドスと雪を踏みしめて追いかける。
「珍しいな、船長が出歩くなんて」
ホントなんもねーよ、とシャチは白い息を吐く。
「久々の冬島なんだ。船長も思うところがあるんだろ」
俺は船に戻るぞ、と言ってペンギンはロー達と反対方向に歩き出す。
少し歩いてシャチを振り返ると
「買い出し、頼む」
「あっ、おいっ!」
シャチが何か言う前に、二ヤっと笑ってまた歩き出した。
前 次
back