「......」
ローは作業していた手を止め、その子供に目を向ける。薄汚れたその容姿は一目には女とわからない程であり、現にローは少年だとばかり思っていた。
「...治療は治療だ。ベポ、お前が脱がせてやれ」
俺やほかの奴がやるよりましだ、とローは準備を続ける。
「うん...!」
医務室を出たローは廊下を歩いていた。治療の後、あまりにも身体が汚れていた為ベポに少女の身体を拭かせた。綺麗になったその姿は、十六歳くらいの少女だということを実感させた。
「女、か」
ローは小さく溜め息をついた。
「女なんて船に乗せて、どうするんですか」
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