夕方になってから白ひげ海賊団が続々と酒場に集まってきた。盛り上がる席でも一際テンションが高いのは
「明日で此処ともお別れ...てことは、クルアにも会えねぇーっ!!」
サッチだ。
「サッチー。お前さっきからそれしか言ってねぇぞ」
「......なんか他にまともなこと言えねぇのかよい」
同じテーブルで酒を飲むエースとマルコ。2人の言葉に、うるせーっと言うサッチは涙目。
「「はぁー......」」
そんな3人を見ていたクルアは小さく笑った。
「なぁサッチ。そんなにクルアのこと好きなんだったら、告白すりゃあいいだろ!」
にしし、と笑うエース。
「馬鹿かお前っ!!できるかよっ!!つーか、声でけーよ!!」
クルアに聞こえるだろ、とサッチがエースの口を塞いだ。
(((いや、バレバレだろ......)))
苦しそうに手をばたつかせるエースと焦った顔のサッチを見ながら、クルーたちの気持ちは一つだった。
「どうぞ」
「あぁ、ありがとよい」
マルコ達のテーブルにコトンとスープの皿が置かれた。クルアは笑顔でマルコ達を見た。
「あたしも寂しいですよ。この一週間、何度も来てくださったから」
それを聞いたサッチは顔を緩めた。隣ではようやく解放されたエースが咳き込んでいた。
「...ん?今日は弟もいんのか」
そう言ったエースの視線の先には食事を配るカイルの姿があった。
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