「クルア!!来たぜーっ!!」
「サッチさん!!」
この1週間、何度も通ったこの酒場。カウンターの奥にいるこの店のオーナー──クルアは優しく微笑んだ。
「よぉ」
マルコがサッチの後に続いて入ると、クルアはマルコさんも来てくださったんですね、と言った。
「今日はうちのクルー全員で飲みに来たんだ」
サッチは早速クルアの前のカウンター席に座る。
「急に押し掛けて悪いな。俺は船長のニューゲートだ」
白ヒゲが店内に入る。誰もがこの大男を見ると一瞬たじろぐが、クルアはいつも通り笑顔だった。
「知ってますよ。白ひげさんですよね。皆さんで来てくださって嬉しいです」
今日お酒を仕入れたところですから、全然大丈夫ですよ、と言うクルア。サッチは先程から頬を赤く染めながらクルアを見つめていた。
「肝の据わったいい女だ!!」
なぁサッチ、と白ひげが笑いながら言う。彼女を気に入ったようだ。サッチはというと
(おいおい......)
白ひげの言葉も耳に入っていないその様子に、マルコは溜め息をついた。
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