乗せてくれとは言ったものの、既に島から離れた船を見つめながら、ナマエはどうしたものかと思案していた。その途端船で青い炎があがったと思ったら、それがこちらに向かってきた。
「!?」
突然の炎上とその接近に、思わず後ずさりするナマエ。
「えっ、ちょっ、こっち来るし!!?」
徐々に近く青い炎。慌てているナマエの目の前に降りたったのは
「と、鳥......?」
「俺だよい」
不死鳥マルコだった。人間の姿で炎を纏ったマルコは、目を丸くさせて口をパクパクするナマエを見下ろし、にやりと笑った。
「マルコだ」
「......あ、...昨日の...」
「あァ。俺は悪魔の実の能力者だからねい」
「悪魔の実...」
目の前のマルコの姿にナマエは首を傾げ、戸惑っていた。幾人もの海賊はみてきたが、鳥人間は初めてだ。その様子に再びにやりと笑い、マルコはナマエに背を向けた。
「背中に乗れ、ナマエ。船に行くよい」
「え!?乗るの!?あたし、焼けない!?」
マルコから出る青い炎を見てナマエが聞いた。
「大丈夫だよい。行くぞ」
顔だけ振り返ったマルコと目があって、ナマエは控え目に頷いた。そして恐る恐るマルコの背に手をかけた。身体に触れる炎は熱くなく、むしろ心地良い感覚だった。
「ちゃんと捕まっとけよい!」
ナマエが身体を預けたのを確認し、マルコは再び不死鳥の姿になってモビーディック号へと飛び立った。
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