静けさを取り戻した店内。そこには三兄弟の姿があった。明日が出航のため準備があると、白ひげ達は少し早めに上がって船に戻った。
「......」
「...ナマエ、」
クルアが声をかけた。俯いていたナマエは顔を上げた。そして漆黒の瞳で目の前の深い青のそれを見た。
「......ナマエ...白ひげさん達と一緒に、海へ出なさい」
「!!なんでそんなこと......!?」
想像もしていなかったクルアの言葉に動揺を隠せないナマエ。クルアの横に並んで座る兄を見ると、彼もまた青の瞳でナマエを見ていた。
「おかしいよ!!あたしはっ「ナマエ!!」
聞いて。
そう言うクルアは何時になく真剣で、思わずナマエは口をつぐんだ。
「突然すぎて、あなたが混乱するのは承知の上よ。でも、いつか話すことなら......きっとそれが今なの」
「......お姉ちゃん...」
何のこと?
無意識に声が、膝の上で握りしめた手が、震えていた。聞くのが怖かった。ずっと抱えていた気持ちがはじけそうで、自分の速くなる鼓動が耳に響いていた。
「これだけは初めに言わせて。......あなたは私達の、大切な妹よ」
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