(......来たか)


昨日と同じ、素早く軽快な足音がマルコ達の方へと向かってきた。白ひげもそれに気づいたようだ。にやっと笑いながら目の前のクルアと視線を合わせていた。近くまで足音が来た。と思ったら、鋭い音を立てて足音が止む。それに合わせてマルコも白ひげに向かって地面を蹴った。


「──っ!!」


マルコがナマエの手首を掴んだまま、すっと地面に降り立った。ナマエは驚きを隠せないような表情。そして、マルコの掴む少女の手には短剣。


「悪いねい」


固まったままのナマエを見下ろしてマルコは言った。


「今日はあんまり酔ってねぇんだよい。同じ手にはのらねぇぞ」


口の端を上げた。ナマエは目を見開いてマルコを見上げていたが、はっとしたように動き出した。


「はっ、離せっ!!」


掴まれた腕をぶんぶん振る。マルコが離してやると、ナマエはクルアと白ひげの間に立って短剣を白ひげに向けた。目の前の少女を見て、白ひげは派手に笑った。

一瞬の出来事だった。マルコが地を蹴ったとき、ナマエも飛び上がっていた。その手にある短剣は白ひげに向いており、目は鋭い光を放ちながら白ひげの顔を捉えていた。首のあたりまでナマエが飛び上がったとき、マルコは横から彼女の視界に入り、その手首を掴んだ。そしてそのまま降りたったのだった。

一連の動きを見ていた白ひげ海賊団のクルー達は静まりかえっていた。ただ、隊長格の者達は面白いと言わんばかりの表情で白ひげとナマエを見ていた。




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