「えぇ。今日はフロアと掛け持ちでやってて。なかなか厨房から出て来ませんから、レアですよ」
クルアは弟を優しい目で見ていた。
「......うまいな。これ」
そう言ったのはサッチだった。手には先程クルアが持ってきたスープ。それを聞いたマルコも飲み、うまい、と呟いた。クルアは2人を見て、良かったです、と言った。
「これ作ったの、カイルか?」
サッチが尋ねた。船でコックも兼任しているため料理には敏感なのだ。
「いえ。それは妹が」
「い、妹!?昨日の!?」
妹と聞いたとたんに昨日を思い出して少し青くなるサッチ。マルコが白ひげに目をやると、にやりとした笑みを浮かべていた。
「はい。今日も厨房に居ますよ。ナマエですから、この食事ほとんど作ったの」
「まじかよっ」
サッチは驚きながらもまたスープに口を付けた。
「クルア。小娘は出てこねぇのか」
「出て来ないでしょうね...」
白ひげが問うとクルアは困った様な顔をした。
「そうか......。なら、」
そう言って白ひげはクルアに手招きをした。クルアが白ひげの元へと進む。近くに来たクルアの肩に、白ひげは自分の手を置いた。
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