「姉さん、」
カイルが呼ぶと、クルアはん?と返事をした。
「そのお客さんって、誰?」
「あぁ。白ひげ海賊団の皆さんよ」
「え!?」
そう、と言うカイルに対して、ナマエはあからさまに嫌そうな顔になった。
「またあいつら来るの!?」
「『あいつら』とか言わないの」
クルアはナマエの銀色の髪をすきながら言った。その青色の目は優しく少女の漆黒の瞳を見た。
「ナマエ。白ひげさんたちは...あなたが思うような海賊ではないわ」
「......海賊なんて、どれも一緒だよ...!!」
ナマエは厨房へと足を進め、中へ入ってしまった。クルアとカイルは苦笑いを浮かべて互いを見た。
「......今、白ひげさんに会ってきたわ」
「うん...。姉さん、本当にいいのかな??ナマエ...あんな調子だし...」
心配そうにカイルが言うと、クルアは厨房のドアを見つめた。
「......大丈夫よ。ナマエだってもう17でしょう。...大丈夫。あの子なら、分かってくれる」
「......あぁ」
あの子なら、受け止めてくれる。
受け止められる。
どんな過去も。
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