「ん、んん、なんじだ」
「もう夜です、我が君」
「…みんなはかえったのか」
「ええ、少し前に」
「そうか」
無事に会議が終わったあと、我が君は疲れからか、ソファーに横になりそのまま寝入ってしまった。スネイプさんとベラ姉さまは出来上がったパンツのデザインをまとめたり書類に書き写したりして、ついさっき、それらが完成しルシウス様に届けに行った。
「どうしますか?少し何か召し上がりますか?」
「いや、いい、ねる」
我が君が気だるげに杖をふると、ソファーはむくむくと大きくなり、十分な広さのベットになる。
「おまえも、むりしないで、はやくねろ」
「…ありがたきお言葉にございます」
「ん、」
すぐに聞こえてくる規則正しい寝息。寝惚け半分の主人のお言葉ではあったが、わたくしの心を喜びで震わせるのに十分だ。主に労いの言葉をかけられて、歓喜しないようなしもべは世界に存在しないだろう。わたくしも例外ではない。
我が君が闇の帝王で、わたくしがデスイーターだったときは、会話をすることなどなかった。我が君のお声を会議で耳にはしていたが、直接に話すことができるのは幹部クラスの、スネイプさんや、ベラ姉さま、ルシウス様たちだけ。ああ、わたくしはなんと、幸せ者なのだろうか。
我が敬愛なる主人よ。
あなた様はわたくしのすべてなのでございます。あなた様のそばにいることが、あなた様に仕えることが、わたくしの至福。