最初は様々なパンツを取り寄せていこうと思っていたわたくしたちであったが、いざ下着専門のカタログを取り寄せようとしたとき、魔法界には下着のブランドがあまりないことに気がついた。
「バナナ」
「いちご柄はどうだ」
「形は?」
「トランクス」
「いや、ブリーフだろう」
「女性用のパンツを扱ってみてもいいかもしれませんね」
「だめだ」
「なぜです?」
「おれさまが恥ずかしいからに決まっているだろう」
こうなったら自分たちで作るしかない!ということになり、用事の終わったスネイプさんも交え、絶賛会議中である。
「生地は?」
「一角獣の毛百パーセント」
「それだと高額になってしまいます」
「おれさまはあのさらさらした感触が好きなんだが」
「それに綺麗だよねえ」
「ベラトリックス、ふざけるな」
「うるさいなギトギト頭」
「なんだとキチガイ女」
「こら、おまえら喧嘩するな」
「「すみません、我が君」」
まとまりのない話し合いではあるが、なかなかに、楽しい。結局、自宅で奥様に付きっきりのルシウス様と連絡を取り、彼の純血筋の知り合いの、綿花を栽培している家に生地を頼むことになった。
「いちご柄は譲れんぞ」
「白地にいちごがいっぱいですか?」
「いや、赤地に黒いぶつぶつで、いちご柄だ」
「やっぱりバナナ」
「はあ?きゅうりに決まってるだろう!」
「もう滅びろキチガイ女」
「お前こそ滅びろギトギト頭」
「こら、お前ら喧嘩するな。ゴーヤにしろゴーヤに」
「「はい、我が君」」
ゴーヤ柄とは、何なのでしょうか。