夕方になるとスネイプさんが宣伝から帰ってきた。

「そういえばセブルスお前、ホグワーツの面接どうだったんだ」
「落ちました」
「ちくしょうあの狸爺め今すぐころしてやる」
「我が君落ち着いてくださいクッキー焼けましたよ」
「シナモン入れたか?」
「ええたっぷり」
「じゃあ食べる」

スネイプさんは教員採用面接に落ちてしまったらしい。我が君がクッキーを食べている間にこそこそっと聞いた話によると、ダンブルドアは「お主は今教師ではなく、やるべきことがあるじゃろう?」とスネイプさんに言ったのだそう。わたくしたちの動きはお見通しということなのだろうか。

「…主には、言うなよ」

念を押すようなスネイプさんの声に頷いた。我が君には無駄な心配をかけたくない。ダンブルドアが我が君の動きに気づいていたとしても、現在は何の攻撃もない。それなら警戒しておくのはわたくしたちだけで十分だ。最も、聡明な我が君のことだから、何も言わなくてもすべて承知しているかもしれないが。

「…ていうか、おい、セブルス」
「は、何でしょう」
「お前、本当にピンク似合わないな。他のやつらは日に日にしっくりくるようになってるのに」
「……」

わたくしはたまらずふきだしてしまった。

わたくしたちは我が君の命令通り、ピンク色のローブをずっと着用していた。ベラ姉さまもルシウス様も初めは違和感だらけだったが元々顔立ちが端正であるし、今では漆黒のものよりもピンクのもののほうが似合うのではと思うほどだ。わたくしがどうなのかは知らないが、我が君の言葉によれば日に日にしっくりきているらしい。

だが、しかし、スネイプさんにピンクとは、一生かかっても混ざることはない、絶対に。

「しょうがないからお前は黒いローブでも良いぞ。ていうかそうしてくれ。おれさまの腹がよじれる」

笑顔すら浮かべず、もちろん笑い声もたてずに、真剣に我が君が言ったので、わたくしはまた笑ってしまった。

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