レイがくれる空間(とみそしる)にすっかり甘えきっていたけど、何日かしてさすがにまずいと思った。


はがゆいの塊


「買い物行ってくる!ここにいてね」
「え、まって俺もいく何か手伝わせろよ!」
「?」
「…いってらっしゃい」
「はーい、じゃーねー」

ああだめだった通じなかった。レイは手をふり暑くてじめじめしていそうな外にいってしまった。でも、でも通じなかったって諦めない!俺はやるといったらやる男シリウス・ブラック!悪戯仕掛人!

うでまくりをして(そうだった服も、し、下着まで、レイに借りてたんだった)、ポケットに入れていた杖を取り出す。台所の食器、まだ洗濯していない服、にむかって杖をひとふり。ついでに部屋にむかってひとふり。窓にもひとふり。よしきれいになった。

魔法を使ったあとでやっべ魔法省に退学にされるって思ったけれど、手紙が来ることはなかった。嬉しいような、悲しいような。

「シリウスーただいまー」

レイが帰ってきた。



「レイ、手伝う」
「あ、え、う、いやいや!」
「手伝う」
「え、や、ほ、」

その夜夕飯を作るレイに詰め寄ってみた。多分いやいいよ座ってて的なことを言いたいんだろうけど、今だけはわからないふりを押し通そう。(君の役に立ちたいんです)



100313 ニコ

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