夏休みになると毎年必ず、あるお客様が家に来てた。外国の女の人。いつも不思議な服を着ていたけど、それは海外のファッションなのかと、おもってたよ。言葉のことも、おばさまは日本語が上手だなあ、くらいに。

まあとにかく、私は物心つく前から、ヴァルブルガ様と会ってたわけだ。私が大きくなるにつれたくさんお話するようになり、息子が二人いてでも一人はやんちゃで反抗期で…、っていうのも聞いた。

まさか、ね!ヴァルブルガさまが魔女さんで、その息子さんが、シリウスくんと、レギュラスくんだったなんて!

「…と、いうわけです」
「へえそうなんですか」
「ええレギュラスお前のみ込みはやすぎね?」



おかーちゃんのかみなり



「まず、か、母さんはどうして、ここ、」
「レイちゃんのお母様とお父様とお友だちだからよ」
「いやおれがききたいのは、」
「へえそうなんですか」
「だからのみ込みはやすぎるだろこら」

9人家族の大きな団欒テーブルに、ひとり分の席を余してみんなで座る。起きたばっかりだから(てゆうか深夜だし)まだ眠たそう。…ピーターくんねてるなあ。パジャマ姿の中、ヴァルブルガさまのゆるゆるした漆黒の洋服は浮かびあがって見える。

「ごめんなさいおばさま。せっかく来ていただいたのに…。家族みんな私を置いて旅行にいっちゃったんですよ」
「あらいいのよ?手紙はもらってたから、知ってたわ」
「あっそうだったんですか」
「レイちゃんが寂しいだろうから、早く顔を出したかったのだけど、息子がひとり消えてしまって色々と忙しかったの。」
「きえ、きえたって、大丈夫なんですか!」
「今目の前にいるわ。」

あれっそうかそういえばシリウスくんそうか…。

「あっじゃあもしかして最初にシリウスくんがここにいた間?」
「ええ。まさかこっちに来ていたなんて考えてもみなかった」

ポートキーは私の部屋に隠していたはずなのに…。

と続いたおば様の言葉に、シリウスくんとレギュラスくんが大げさに反応した。ていうかわたし以外のみんなはちょこっとでもたじろいだ、ように思う。(ぽーときーってなに?)

「皆さん、心当たりがあるようね?」

にっこり



そのあとわたしは二階に行かされたんだけど、リビングからの悲鳴が怖かったです。



110828 ニコ

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