花火も終わり、シリウスくんとリーマスくんと手をつないで、みんないっしょに帰っているときだった。シリウスくんとつないだほうの手がひんやり冷たくなって、次には一瞬かっと熱くなり、光りだしたのある。電灯も少ししかない道路がわたしの手を中心に明るくなる。

「どどどどうなってるのシリウスくんなにしたの!」
「んー?俺はなんにも?」



てのひらのまほう



なんとわたしのてのひらの上で、花火が打ち上がっている!ちいさな花火はパチパチかわいらしいおとを響かせ様々に咲いていた。

「し、しりうすくん!これ!これ!」
「レイが魔法使ったんじゃねーの?」
「うっそだあ!」

満足そうにほほえむシリウスくんにこれは彼がなにかしたのだと気付く。シリウスくんの後ろに流した髪の毛はすこし崩れてきており、前髪が一筋目にかかっているのがまたなんともいろっぽかった。

「あー!また花火だ!レイすっごいね!」
「魔女だったの!?」
「えっちがうよわたし一般人だって!」
「わー…、僕、爆発しか出来ないのに……」
「さすがにそれはまずいんじゃないんですか」
「(がーんずーんしょぼーん)」
「レギュラスくん、ピーターを泣かせないでね」
「ああすいません先輩なかないでください」
「……ないてないのに」

わかっているけど、シリウスくんのせいだって、わかってはいるけど、わたしの手の上を踊る光は、まるでわたしの魔法のよう。

「ななななななんでないてんの!」
「うえーんだってうれしくてうえーん」
「あーなかせたー」
「おれ悪くねえよな!」
「ほらレイおいでー」
「うええーんリーマスくーん」

ぎゅっとリーマスくんにだきつくと、リーマスくんの肩ごしに、わたしのてのひらの魔法が見える。

「もう!シリウスくんだいすき!」
「えええじゃあリーマスにだきつくなよ!!」
「ねえレイ僕は?」
「リーマスくんもだいすきー」
「「僕(私)たちは…?」」
「ふふふ!みんなすき!」



110812 ニコ

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