いっぱい遊んで帰ってきて、おゆうはんどうしよっかなあと冷蔵庫を開いて気がついた。扉に磁石で貼ってあるチラシ。

今日、夜、お祭り、花火だあ!



リリーの浴衣姿とか…、ひゃあああ!



わたしの家族(現在わたしを置いて旅行中)はわたし含め9人なのはシリウスくんには言ったと思う。その構成は、お父さん、お母さん、お姉ちゃんとお兄ちゃんが三人ずつ、弟が一人である。それが何故いま関係あるかというと、お祭りといえば浴衣だから。

「ユカタ…?」
「んとね、着物は分かる?」
「キモノ、ああ!日本の伝統的な服ね!」
「その着物を、ええっと、簡単にしたような服なんだ。夏なんかは涼しくっていいの。お祭りに着ていく人が多いんだよ」

リリーちゃんは背が高いから、お母さんのがいいかなあ。柄も大人っぽいほうが似合うだろう。男の子たち五人の分は、お父さんとお兄ちゃんたちので四人、で、あと弟の浴衣、なんだけど、小学生用、なんだよねえ…。これは、ちょっと失礼だけど、彼に着てもらうしかないでしょう!

「ぴ、ピーターくーん!」



そしてそして。(わたし、頑張ってみんなに着せました!)男の子ズは縹色に鈍色、青鈍、二藍と、しっとり落ち着いた色合いの浴衣の中、ピーターくんの着た、山吹色は、さすがに、子供すぎた、かも。なんだかんだ、似合ってるんだけど。

「本当、みんなかっこいいね!写真とっといていい?売れるかも!」
「どこにだよ」
「そ、そのへんの道行く女の子に?」
「じゃー俺もレイの写真とってそのへんの男の子に売る」
「うっうれないって!」
「売れるよ」

髪の毛を後ろに流し鈍色の浴衣をまとうシリウスくんは、なんだか水着のときよりセクシーだ。裸ばーんより、薄い生地が引き立てる体格のよさが、色っぽさ増量中してる。

「レイ、浴衣ありがとう。あと、…すげえ可愛い」

微笑みながらこんなこといわれたら、わたしは赤くなるしか術がないのである。



110725 ニコ

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