起きたらわたしはシリウスくんに腕枕されていた。ぬっ!なんだこれ!
気づいてあげて
昨日はおゆうはんをみんなでリビングで食べてどんちゃん騒ぎして…、あれ、いつの間に和室に移動したんだろう?んん?しかも床に雑魚寝じゃなくて、ちゃんと布団が敷いてある。あれ?わたし用意した記憶はないよ?耳を澄ますと複数の寝息が聞こえた。みんないるみたいだ。
「ん、う…」
シリウスくんの長いまつげがふるふると揺れる。それがゆっくり、開いて、うっわあ…、男の子にこんな言い方じゃおかしいかもしれないけど、すごく、きれいだ。開花の瞬間を目撃したかのよう。
「レイ…?」
「お、おはよう、シリウスくん」
「うん、おはよ」
にっこり。間近で、シリウスくんの笑顔。わたしは頬が熱くなるのがわかった。
「えっ、と、昨日、の記憶がないんだけど…」
「あー、みんな大騒ぎだったから、俺が布団敷いて、無理矢理寝かせた。ほら、前に教えてくれただろ?布団の敷き方」
「わ、ありがとう」
「ん、どういたしまして」
さすが、何でもできるシリウスくんである。布団の話なんて一回しかした覚えがないのに。
「ねみい…」
ぎゅっ、と、だきよせられた。ぬっ!なんだこれ!ははははは恥ずかしい…!それに周りにはみんなもいる、よ?ぎゃあああ…!
「シリウスくん、……シリウスくん?」
ね、ねちゃってる…
100913 ニコ