「あ、兄さん、どうも」
「おう、レギュ」

「え、きみたちそれでいいの?」

随分とあっさりでした。



みんな集まれ!



姿現しをして、帰ってきた。どうしてジェームズの言う通りにしたかっていうと、俺は気がついたのだ。姿現しをして帰れるなら、また、姿現しでレイのところへ行ける。いつでも!(それをレイに説明しなかったのはやはり言葉の問題があるからだ。)

「母さん、」
「……」
「今、帰りました」
「そう」

レギュラスと軽く言葉を交わす。レイの姿を思い浮かべたら、一言くらい母親に挨拶をしておこうという気になった。魔法界に帰ってきたって、レイの存在は偉大らしい。椅子にもたれる母親はなんだか小さく見えた。

「どこに行っていたの」
「トラブルがあって、とても遠くまで」
「……、これ以上迷惑をかけないで」

眉間にシワ。適当な俺の返事が気にくわないらしい。だけどレイのことを話すわけにはいかないし、レギュラスのことだってもちろん言っちゃだめだ。カタン、と後ろで小さく音がした。レギュとジェームズが、扉の前まで盗み聞きに来たらしい。俺はとびっきりの笑顔で、扉の外のやつらにも聞こえるように、言った。



「それで。これからまた、今度は友だちとレギュラスも一緒に、出かけてきます」



100825 ニコ

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