俺は飛び起きた。
キャアアアアア!!
早朝。レイの絶叫が家中に響いたのだ。俺は慌てて杖を握り、彼女の部屋へ向かった。ノックもせずに(緊急事態だからしょうがない!)入ってみると、そこには床にうずくまるレイの姿が。
「レイ?どうかした?」
肩にそっと手を置くと、びくりと震える。一体何があったんだ…!
「宿題…宿題、忘れてた…」
え?
俺は暇をもてあましていた。レイはあれから部屋にこもって勉強をし始めたので、俺は洗濯物を干して掃除をして、そしたら、暇になった。レイの宿題を手伝うことはできないし、テレビをつけても言葉がわからないので意味はない。
「あーひまひまひまひま」
「うわああああああ!」
どん、がしゃん!
突然天井に何かがあらわれ、それは俺の聞き覚えのある、いや聞き覚えがあるどころじゃなくて、まさに友人の、親友の声で叫んでいた。そして当然落下し、机が音を立てながら激しく揺れる。
「……………は?」
俺はとても動揺していた。なんで、どうして、どうやって、何がどうなってるんだ。
「……やあ、相棒、元気にしてたかい?」
なんでお前が!!
つい、近くにあったショーユをにやりと笑うジェームズの眼鏡にぶっかけてしまった。俺に悪気はない。
100803 ニコ