わたしのベットによりかさってシリウスくんが寝ている。目が覚めて一番初めの光景は十分にわたしを驚かせた。


偏り


なんでこんなところで寝てるのー。どうしてー。ええええー。と、それはわたしがシリウスくんの腕をけっこうな力で握っているわけだからなのであった。昔からの癖です。迷惑かけてごめんなさい。ひとまず腕を離し、体を起こす。布団からもぞもぞ這い出てシリウスくんのきれいな寝顔を眺めてみた。えーっと。昨日、昨日は何があったんだっけ。

…ああそうだ。シリウスくんが魔法使いだったって話。そしてわたしにも魔法を見せてくれたんだ。


「…あ、おきた?」

わたしより百倍以上長いまつげ(あれそれじゃあさすがに長すぎる)に縁取られた瞳がぱっくりと開く。シリウスくんはとろんとしたまま、わたしの顔をまじまじとみつめた。

「……レイ」
「は、はい」

次にシリウスくんが言ったことは全く聞き取れなかった。シリウスくんの声が小さすぎたせいでもあるし、わたしのリスニングの能力が低すぎたせいでもある。しかしわたしはそのことに構っている余裕がなくなっていた。

ただわかったのは、わたしのくちびるにおしつけられたやわらかい、



100505 ニコ

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