『至急、ブラック家まで』

あれえシリウスから手紙の返事が帰ってこないおかしいなー。なんて思っていた矢先の、非公式な、だけどしっかりブラック家の家紋が入った手紙に僕が飛び起きたのは言うまでもない。


裏表紙は黄金色


夏休みぼけした頭をフルにまわして、僕は今の状況をなんとか理解しようと必死になった。

シリウスがいなくなった。

色々嫌みを交えながら、シリウスのお母さん、ヴァルブルガ様に話されたことは要するに、そういうことだった。家出?いや、それなら最初準備が整うまでは僕の家に来る予定だったんだ。シリウスが約束を破るわけないし、連絡ぐらいくれるはず。ヴァルブルガ様は僕が何かしたかと思っていたみたいだけど(それにしてもすごい威圧感だ、本当にパットフッドのお母さんなの?)、生憎身に覚えはない。

「このことは非公式にします」

最後に僕を睨み付けて、ヴァルブルガ様は部屋の奥に消えた。彼女もシリウスのことが心配らしい。なんだ、普通の母親らしいところもあるじゃないか。

シリウス、君はどこにいるんだい?

「あの…、」
「ん?レギュラスくん?」
「……」
「え、何どうしたの?」
「……」
「……」

帰ろうとした僕を呼び止めたのはレギュラスくんだった。



100427 ニコ

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