わたしが笑えばあなたはいつだって笑い返してくれた。やさしく抱きしめてくれたしキスもしてくれた。わたしはたまらなく幸せで、いつもいつもいつも、このまま時間がとまればいいのにって、そう思った。「ねえシリウス。だいすきだよ」「俺はあいしてる」やっぱりあなたはやさしくて、とてもあたたかい。わたしの背中にまわされている長い腕もきれいな手も、広い背中も、とくとくとしずかにこどうをきざむ心臓も、わたしの指からするりと逃げていく黒髪も笑うと細くなるグレーの瞳もあなたの体を構成しているものがぜんぶ、だいすき。「ねえシリウス。わたしもあいしてる」ぎゅう、と力がつよくなって、わたしの視界は真っ暗になった。くるしい、といえば体ははなされて、かわりに降ってきたのはシリウスの唇。「ありがとう」そう言ってわたしのだいすきな笑顔を浮かべた。

「ねえシリウス。」
「わかれよっか。」

だからもう、さよなら。

(昨日の夜はどこにいってたの?)(昨日だけじゃなくて、毎晩毎晩)(そんなことを聞く勇気はないから)

チキンガールのひとりごと



2010/01/07 ニコ

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