愛していた。彼女を愛していた。だけど、愛し方がわからなかった。自分の今まで積み重ねてきたことなんて彼女の前ではひとつも役に立たなかったしどうしたら心臓がつぶれそうなぐらいに膨張しているこの思いを彼女に伝えたらいいのかもわからなかった。俺はただただ愛してるって言って抱きしめてキスをして、それしかできない。苦しくて逃げた。アイツと毎日セックスをした。性欲に溺れて腰をふって、なんて馬鹿らしいんだ。だけど、逃げた。彼女がくれる愛とアイツがくれる愛の違いを理解したなら、俺はちゃんと彼女を愛せるような気がした。結局愛し方なんてわからなくて、彼女は泣いて(俺が傷つけた)、引き留めるなんてできなくて(何も言えなかった)、終わった(あいしてる)。アイツだって泣いてた。アイツだって俺をあいして、くれていた。違いなんてないんだよ、どれもホンモノなんだ。ジェームズがそう言って顔を歪めた。

「泣いてるの?」
「…泣いてない」

(すきだったあいしていたそばにいたかったずっとずっとずっと)(ずっと)

、戻れない



100310 ニコ

ジェームズを出したかったという願望の名の元に!←

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -