いつだったか、いつもより激しく親と喧嘩をして『もうやだ』とシリウスに手紙を送るとシリウスはわたしの部屋の暖炉からやってきた。

「シリウス!なんで?学校は?」

季節は冬で、休暇のときでなかったことは確かだ。煤だらけになりながらきたシリウスに聞くと「レイが心配だったから」と返ってきた。それと同時にいままでになく強く抱きしめられた。

思い出した。先輩が六年生で、わたしが十歳のときだ。

「レイ、つらかったら俺を呼べ。いつどんなときでも来るから。」

その言葉を皮切りに思い切りむせび泣いた。



ああそうだ。あの日から、先輩に抱きしめられると、どきどきして、




『いつどんなときでも来るから』

そっか、わたし、シリウスがすきなんだ。





「リリー先輩、わたし、シリウスのこと、だいすきです」

そう言うと、横にいたスリザリンの女のひとは微笑んだ。





2009/11/27 ニコ

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