自分が純血であることには嫌悪感を抱くことはなかったけれど、両親が純血以外のひとたちを見下すのはすきじゃなかった。随分大人びた五歳だったと自分でも思う。

サマーパーティーでシリウス・ブラックってひとと知り合った。どうせこのひとも差別とかするんだろうなあと教え込まれた言葉と笑顔で挨拶をした。

彼はとたんに不機嫌そうな顔になった。

ブラック夫人の制止の声も聞かずに(舌打ちをしたのは気のせいだろうか)庭のほうへ歩いていく。あれ?

「ブラック家の長男につけこんでおいて悪いことはないわ。行きなさい。」

母さんに乱暴に背を押され、駆け出した。

もしかしたら、彼は。

期待に言葉がしどろもどろになって腹黒いものもつい飛び出てしまったけれど、シリウスは声をあげて笑った。

ああこのひともおんなじだ。と、なみだがでそうになった。



(ちっちゃいころのわたしを救ってくれたのは)(アナタです)





2009/11/21 ニコ

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