俺より六歳も年下のそいつは貼りつけた笑顔で教科書通りの言葉を口にした。

「レイ・アイカワです。よろしくお願いいたします。」

…こいつまだ五歳だよな?

気にくわない。

アイカワ家の御長女ですから仲良くなりなさいとくそばばあが言うからひとつ舌打ちをして外にでた。待ちなさいとかなんとか叫んでるのが聞こえた。

夏休みなんてキライだ。

「シリウス、シリウス、様っ」

ぴょこぴょこと淡い水色のワンピースが跳ねる。

「…なに?」

不機嫌そうに言えば一瞬歪んだ大きな目。

「えっと、ばばあ、じゃないお母様にブラック家の長男につけこめ、でもなくてシリウス様とお散歩したくて」

自然な笑顔。親の前じゃないとぽろりとこぼれる本音。

…前言撤回。こいつ、最高だ。





2009/11/15 ニコ

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