直接ふれあう肌と肌が、ちょっとだけ恥ずかしいから目をふせた。男の子なのに、ほっそりと長くてきれいな指が、わたしの頬をゆっくりなぞる。たまらなくなってはあと吐息を漏らせば、リーマスは満足げに笑った。
「も、えっち」
「キスしていい?」
「やあよ」
つれないなあ。そう言ってわたしの髪をなぜる、つくりものみたいな、ほんとうにうつくしい指。
リーマスの胸にある傷痕に、わたしは手を滑らせた。
「シたいの?」
「ちがうよう」
たくさんのまんげつの夜で、たくさん彼は傷ついたけど、指だけはいつまでもそのまま。わたしは、リーマスのきれいなところも大好きで、すっと心臓の上を通る傷痕も、顔にある薄い傷も、だいすきだ。
「リーマスはね、きれいなの」
「なんだい?急に」
「えへへ、すき」
頬を胸にすりよせて、ぎゅっと彼の手を握る。骨張った感触がいい。
「きみは可愛いよ」
「ありがと」
うん、だからさ、
「我慢できないや」
そして暗転