腕を掴まれた。振り向いたら、シリウスが立ってた。どきって、した。

「あのな、」
「う、うん、なに?」

シリウスの手はかすかに震えていて、いつも貫くような視線を放つ瞳が、揺らいでいた。

「我慢できねえ…!」

彼はかすれたこえで言った。そうして、わたしのくちびるに、(がぶり)
かみついた。





101031 ニコ

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