ロンのお父さんは無事だった。例のあの人繋がりで、アーサーおじさんが傷つけられる様子を見てしまったらしいハリーは目に見えて憔悴していて、でも、誰も声をかけることが出来なかった。クリスマスのグリモールド・プレイスには、シリウスさんの調子外れの歌声が響いている。

あたしは苛々した。初めから何も無かったみたいに、シリウスさんが振る舞っているからだ。もう知っているロンとハーマイオニーは心配そうな視線をあたしに寄越してくれる。あたしは力無く笑った。大人って、どうして、狡いの。

「シリウスさん。クリスマス休暇の宿題があるんだけど、また教えてくれる?」

モリーおばさんが買い物に出掛けて居ない隙に、あたしはロンとハーマイオニーの目の前で、シリウスさんに笑いかけた。

「…ああ、じゃあ、見せてみろ」
「どうして?いつもはシリウスさんのお部屋で教えてくれてたのに」

無かった事になんかさせない。シリウスさんはあたしのものだ。ジェームズさんにも、ハリーにも、誰にもシリウスさんは譲らない。

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