土曜日はわたしもリーマスもおやすみなのである。金曜日の帰りはリーマスが学校までお迎えにきてくれて、レンタルビデオやさんに寄っていくのが習慣になっていた。
「今日はなんの気分ですかー?」
「ん、ファンタジー、かな」
「えっわたしヒューマンがいい!」
「じゃあ間をとってアクションで」
「はーい」
ひとつだけ借りて、無事きたく。
「お風呂でた!早くみよ!」
「髪の毛かわいてないよ?」
「むむ、」
「やってあげる」
「ありがとー」
ソファーに腰かけるリーマスの前の床にぺたんと座る。あ!大丈夫絨毯だから!おそうじもしてるよ!
ブオオと音を立てて、温風が首筋や耳をくすぐった。リーマスに髪の毛やってもらうの、すき。やさしく掬われて、かわかされていく。
「うん。終わり」
「わーい!見よう見よう!」
「はいはい」
手早くDVDをセットして、いざ、えーがかんしょーターイム!彼の腕にぴったりくっついてふかふか絨毯の上に座ると、何故だか不満そうにわたしをみた。
「何してるの?おいで」
「え、きてるよ?」
「違うってば」
「ぎゃ、」
見かけによらず力のつよい彼氏です。お腹に腕が回されて、ぐっと引っ張られれば、背中にリーマスの体温。後ろから包まれるように抱きしめられて、嬉しいんだけど、
「あの」
「なに?」
「…恥ずかしいんですが」
「そうかなあ」
「うん」
「あ、始まる」
「え!」
結局リーマスの温もりに安心しすぎて、映画の途中で私は眠りに落ちたのであった。
110505