「その、君たちは、そういう、関係なの?」
ハリーはいつか勘づいてしまうんじゃないかって思ってたから、あたしはそれほど動じなかった。でも、あたしとシリウスさんのことは、例えハリーにであっても、話したくない。
「あたしと誰のこと?そういうってなあに?」
「ちゃんと答えてよ!」
ハリーはヒステリックに叫んだ。あたしはそれをどこか冷淡に見つめていて、おかしい、ハリーは親友なのに。
「どうして?」
「どうして、って…僕たち、親友じゃなかったの?」
「親友には秘密を作ってはいけないなんて決まり、あった?」
「そうじゃないけど、君は僕に話す義務があるはずだ!」
「相手がシリウスさんだから?」
ああ、あたしはハリーに、嫉妬していた。シリウスさんはあたしを愛して、抱いてくれるけど、心の、彼の世界にいるのは、亡くなったジェームズさんと、その子供だけだから。
「お付き合いをしているわ。誰にも内緒で」
「そ、それじゃあ、君と、シリウスは、」
「セックスした。これで満足?」
あたしの親友は少しだけ黙って、例のあの人の悪口をいうときのような、軽蔑を、エメラルドに浮かべた。
「そんなの、不潔だ」
ハリーは分かってくれると思ったのに。
「愛しているの」