「それで、…したの?」
「ううん。してないよ」

ハーマイオニーがあんまりにも心配そうな顔付きだったので、あたしは嘘をついた。あたしの体に残る疲労と微かな痛みは、確かにあの日にあったことを物語っている。

「ねえ、嘘つかないで」

本当はしたんでしょ?彼女の真っ直ぐな瞳に貫かれても、あたしはやっぱり嘘をつく。

「本当だよ。彼とはなんにも。ていうか、別れちゃった」

だってあたしは、本当に好きなひとを手に入れたんだもの。先輩とは何にも無かった。何にもなかったの。

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