指先に吸い付く。かさかさした手のひらは、確かに大人の男の人のものだった。笑うと深くなる目尻のシワはシリウスさんをより魅力的に見せるものだけど、今はただ老け込んだようになってしまっている。頬にふれたら、のびはじめたひげがすこし痛かった。
「起きて」
とじたまぶた。はやくめをさまして、昨日の夜のこと、夢じゃなかったって、確かめたい。
「だいすき」
体の鈍痛も、このだるさも、愛しくなる。無防備なおでこにくちびるをおろすと、グレイの光が、ゆっくりとあたしの前に姿を現した。
「あまり、大人を煽るな」
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