小旅行編そのに(しかし出発すらしていない)




中学高校と、よく告白されていたし、彼女ができたりもしていたのに、結局すぐに別れる。理由はたいてい、こうだ。「彼女より友達優先って、ありえない!」…まあ、とうぜん、だよな。俺たちといっしょにいる時間はずっと変わらなかったんだから。あ、ちなみに俺はそんときの彼女最優先だから、男とつるむ時間なんてまちまちだったぜ?

ともかく、リーマスはそんな、女に興味があるのか、ないのか、ときにはホモだなんて噂も立ってるようなやつだった。

それがさあ!それが、同棲、なあ!いきなり同棲!しかも女子高校生と?おい犯罪だろ!おい犯罪だろ!二回じゃすまねえぜおい!!は ん ざ い だ ろ !!!…はあ。散々俺とジェームズが会わせろって詰め寄っても、ぜっってえ、あわせてくんねーし部屋にもいかせてくんねーし?つまりなにがいいたいかっつーと、今回の旅行に彼女同伴って聞いたとき、俺はいろいろと考えたわけだ。美人なのかなとか、可愛いのかなとか。あのリーマスを落とすぐらいだから、ともかくそうとうな女(もちろんプラスの意味で)なんだろう、とか。

「こんにちは!ええと、ブラックさんですね!はじめましてー」

だけども、集合場所の駅でリーマスにひっついてきた女は、やたらとでかい荷物を抱えていて、いうなれば、キャンキャンほえる、子犬みてえなやつだった。ああ、ああ、予想外だとも。俺はほけっと口を開けて、リーマスの彼女をみる。まじかよ。胸とか全然ないじゃん。好きな女と暮らしてて、よく襲わずにいられるなと思っていたけど、そりゃそうだ。これじゃあたたねえ。

「………(ほけっ)」
「…ねえリーマス、ブラックさんどうしちゃったの?」
「いやなんでもないよ。こいつバカだから、ときどき頭が停止しちゃうんだ」
「ふーん?」

あ、やばい。これは、くるぞ。リーマスの、あれが。

シリウスだいじょうぶなんていいながら俺に触れようとするので、避けるために一歩後ろへ。しかし信じられないはやさでリーマスは動き、肩、掴まれた。いっ…いいいたいいたいいたいいたい!ナニコレ!どんだけ!握力どんだけ!

そして俺の耳に顔をよせ、低い低い声で、ゆう。

「俺の、彼女が、わざわざ、お前に、挨拶、してるんだけど」

お返事は?とわらったリーマス。その瞬間、俺は俺の肩が、ごきりとへんな音を鳴らすのを、確かにきいたのである。



111026
(一人称ときどき俺になればいい)

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -