「昨日はごめんね。わたし雪で足滑っちゃって、シリウスのこと蹴ったりなんか…本当にごめんね」

ホグズミードに行った次の日。の朝。談話室におりたらすぐにレイが来て、申し訳なさそうに頭をさげられた。こ、これが噂のお辞儀とかいうやつか…!うん、そうだったのか。俺はてっきりどうでもいい発言にレイが怒ったのかと思ってた。なんだ、怒ってないのか足滑っただけか!

気にすんな。と必死に笑おうとする。が、口角は上がらない。かわりに口をついてでるのはやっぱりいつもと同じで。レイを侮辱する言葉だった。

「…本当、猿に蹴られたなんて最悪だよ」

もう、俺の口には呪いがかかっているとしか思えない。レイを侮辱するために六年越しで話しかけたわけない。ごめんねと言い続けるレイを見るために六年間ずっとレイをみてきたわけないのに。

「シリウス、」

咎めるようなリーマスの声にずきりと傷んだ。わかってるよ、わかってる。このままじゃいけないってこともレイがつらいだけってことも俺が変わらなきゃいけないってことも。

あいしてるだとかすきだ、とか。レイじゃない他の女には簡単に言えるのに、どうしても、言えない。

つきあえ。じゃなくてすきだ。って言おうとしたんだ。黄色い猿。じゃなくて、かわいいな。って、言おうとしたんだ。



2010/01/22 ニコ

キングオブヘタレ…!

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