それぞれの想い(Ryuji.side)1

Ryuji.side.....




「寛人君は白血病だ」


 父から告げられた言葉に、体中に電撃が走りぬけたような気がした。


「どういうこと?」

「この間の検査結果だ。まだ寛人君には告げられていないが………」

「治るの?」


 寛人に告げている告げていないの問題ではなかった。
 でも、そういう風にして要領の良い父が要領を得ない説明に、なんとなく答えは見えているような気がした。


 答えない父にもう一度問う。


「寛は、治るの?」


 父は静かに首を振った。




 足元からガラガラと音を立てて崩れていくかのように、リアリティはどこまでも欠如していた。



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