成長→高校2
しかし、歪みというのは生まれるもので、俺が出来る反面、弟である伊吹への風当たりは酷かった。
両親は惜しみない愛情を注いでくれるが、周りは結果でしか評価しない。
父様は社交会に俺らを出す事を避けた。これ以上伊吹が傷つかないようにする為、と夜な夜な母様と話し合っていた事を聞いた事があった。
「織にどうやったら、追いつける?」
周りの期待に答えるべく真剣に訪ねてくる弟に、俺も必死で勉強を教えた。家庭教師が見ていないときは、全部俺が伊吹に知識を教え込んだ。
その甲斐あって、ずっと俺の隣で一緒になって勉強するためか、伊吹もどんどん知識を吸収していった。
この遺伝子の脳はつくづく出来が良いらしい。知りたいと思った事は、際限なく記憶する事が出来た。
中学に上がる頃には、伊吹も高校生だった俺と同じ位の知識量で、2人でアメリカ留学し、高校の年齢になる頃には博士号を取得して日本に帰国を果たしたのだった。