神よ、感謝します3(Jin.side)※



「おい、神」


 そんな僅かな変化も見逃さず、警戒する小動物のように毛が逆立ったように伊織さんが反応する。


「なんですか?」

「何もしないって約束だろ」

「何もしてないですよ」


 あくまで洗っているだけ、と通るはずもない御託を並べれば、案の定伊織さんにタオルを取り上げられた。


「もう終わりだ! 離れろ変態!」

「まだ終わってないですよ」

「大事なあそこ潰されたいか」

「伊織さんになら、」


 潰されても良いと言おうとすれば、鈍い音を立ててタオルが頭に直撃した。俯いた拍子に、伊織さんの可愛らしい息子と対面する。


 綺麗なピンク色。
 食べて下さいと言わんばかりのそこに、目が離せなくなる。

 元気が無さそうなそこは、伊織さんが動けば一緒に動いた。


 これが。


 想像していた通りだった。
 あそこまで可愛いなんて。

 
 Thank heaven、と彫刻のような造形美を産み出してくれた神に感謝したい気持ちだった。


 伊織さんのため息と共に冷たい水を頭からかけられても、熱が冷める事はなく、伊織さんの身体を隅々まで脳に焼き付けたのだった。



 jin side ....end

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