神よ、感謝します(Jin.side)
Side..... Jin
陶磁器のように白く、白皙とはこのような肌を言うのかと納得した。
泡立てたタオルは、白い雪の上を滑らかに落ちていく。
普段割とかっちり目の服装が多い伊織さんの肌が露出する所と言えば、腕と首筋に留まる。それが一糸纏わぬ姿で、水に濡れて目の前にある耽美さに思わず眩暈がした。
白熱灯の暖色の光が、水に濡れた肌に妖艶さが加わっているようにも思える。
「右腕をあげて下さい」
「ん」
吐息の声と共に、なすがままの姿を晒されて、
「気持ちいいですか?」
そう聞けば、「ん。快適」と幸せそうに息をつく伊織さん。
好きな人の、こんな姿と動作を前にして勃たない方がおかしい。
いつの間にか臨戦態勢が整っている息子を気づかれないように、腰に巻いてテントを張っていたタオルを上に載せた。擡げたそこをタオルの重さで下げるように努力する。
「じゃ、前は自分でやるから」
と伊織さんが振り返ってきた時には、これがバレるのかと一瞬冷やっとした。
もう少しこの肌を見ていたい、触っていたい。
そんな気持ちに、「え、俺こんなに頑張ったんですよ? 前も」と何度も懇願すれば、押しに弱い伊織さんは条件を取り付ければあっさりと陥落し、しょうがないな、という風にあっさりとタオルを渡してくれた。