まずい状況2
会長の膝の上に座り笑わされるこの状況に、凍りつく教室内。
この状況をどう収集すれば良いのか。
重たい空気に忍耐力が続くのか考えあぐねていると、
「会長、大変申し訳ありません。当店では、スタッフへの過度なスキンシップはご遠慮頂いております。ご理解頂けるとありがたいのですが?」
やんわりと、しかしはっきりと、教室内の空気を打ち破ったのは他でもなく日下だった。
空気が読めない日下を、こんなにも感謝する日が来るとは思わなかったが。
「そうか、それは悪い事をした」
会長は名残押しそうに、膝に乗っていた俺の背を押した。
「ご理解頂けて幸いです」
「その…代わりといってはなんですが、他のスタッフとも記念撮影を行えますので」
「ああ、お願いしよう」
その言葉に弾かれるように、教室内の全スタッフが会長に集結したのは言うまでもなかった。