おもいでばなし



「おはようさん−」
「志摩おはよ」
「あれ、今日日曜なんになんでお弁当作ってるん?」
「雪男が学校で委員の仕事だからさ、届けてやりたくて」
「相変わらず健気やなあ」
「あいつの健康管理は俺の仕事だからな!」
「うちの兄貴も奥村くんくらい優しかったらええのに」
「えー、前に物送ってくれてたじゃん。でっけ−段ボールにいっぱい」
「…中身全部蝗やった」
「……わりい」
「せやから奥村くんみたいなお兄ちゃんほんま羨ましいねん」
「俺、そんないい兄貴じゃねーよ。雪男ああだから頼られないし」
「でも、ちっちゃい頃は違ったやろ」
「ん−…ちっちゃい頃は一緒に住んで無かったからな…」
「え?」
「両親死んでからしばらくは知り合いのとこでバラバラに暮らしてて、あんまり会わなかったんだ」
「そう…なんや…」
「一緒に住みはじめたのが中学上がったときで、もう雪男あんなだったから」
「……」
「久々に会って結婚してって言われた時はびっくりしたな−」
「あれ、シリアスどこ行った!若さん歪み無いわ!」
「嬉しかった…」
「惚気られた…」

[]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -